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「豊後高田そば」は、何といっても春と秋の年2回栽培が大きな特徴。年2回、新そば解禁(7月と11月)を迎え、特に、ざるそばの需要が高まる7月の暑い時期に、おいしい新そばが堪能できます。
令和3年3月24日、ポカポカ陽気な春空のもと、市内西真玉地区のそば畑で、トラクターに乗車してそばの播種を行う神田三重子さん(城前)の姿がありました。トラクターの後部にセットされた4つの箱。箱の内部は2つに仕切られ、肥料が半分、残りの半分には、そばの種約4kgがぎっしり。この時期に撒かれるそばの品種「春のいぶき」は、産地化を進める中で開発されたオリジナルの品種です。
「この播種の時期は、特に雨と雑草への対策が一番。雨に弱いので、播種する前には必ず畑の周囲に溝(額縁排水)を掘って、排水対策が必要。それと(種をまく)深さ。急な天候で雨になっても種に直接、雨がかからないような工夫が必要なんです。」と話す神田さん。連作障害や遅霜など、いろいろ気をつけながら、真玉地域で20町(内韃靼そば10町)のそば畑を、ご主人の泰仁さんと二人三脚で、耕作しています。「このトラクターは優秀なんよ。耕す、撒く、埋める、抑えると一連の作業をいっぺんにやってくれるんで。」と笑って話してくれました。
市内でそば栽培がスタートしたのは平成14年。米の転作作物と位置づけ、主産地の供給より早い初夏に収穫できる春まきそばの生産に力を入れています。
今年度の市全体の作付け面積は約50ha(25トン)を見込んでおり、播種から1か月後には成長したそばに“つぼみ”が付きはじめ、その2~3週間後には、一面を真っ白な絨毯のように広がるそばの開花を迎え、6月下旬ごろから新そばが解禁されます。
生産~加工~手打ちまでを一環して、市内で行うため、移動によるストレス(温度変化、湿度変化、時間経過)が極めて低い、美味しい「豊後高田そば」を食べることができるんです。
香り高き「新そば」解禁が待ち遠しいかぎりです!