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文化財防火デーとは、貴重な文化財を火災・震災その他の災害から守り、地域住民の文化財愛護思想の高揚を図ることを目的としています。昭和24年1月26日に法隆寺金堂壁画が焼損してから、毎年1月26日が『文化財防火デー』と定められ、今年で69回目となりました。
1月22日(日)、九州最古の木造建築物で国宝に指定されている富貴寺大堂で「文化財防火訓練」が行われ、地元住民・消防団、消防署等が参加しました。この日は、昨年3月に国・県・市の補助金を活用して設置した「放水銃」等の防災設備の試運転を兼ねた放水点検も実施されました。
【ここからは訓練のシナリオです】
富貴寺裏の山林から炎があがります。
大堂に設置している自火報からの通知により、副住職が案内所のモニターで火災状況を確認し、直ちに関係機関に通報。
地区住民に半鐘を鳴らし火災を知らせ、応援を求めます。
集まった住民たちが消火栓で初期消火を行いますが、強風により火が大堂に接近してきたため、住職と住民が協力して重要物品を持ち出します。同時に、大堂への延焼防止のために放水銃による放水を開始しました。
数分後には消防車が到着し、消防団・消防署の方々がホースで水をかけて消火します。懸命な消火活動の結果、遂に火は消えました。
【訓練の講評】
訓練終了後、河野潔教育長が「本市は、大分県でも国宝をはじめとする文化財が多い場所です。その分、私たちに課された使命というのは大きいと思いますので、引き続き皆さんのご協力をお願いします。」とあいさつ。消防団の嶋川岩男団長は「地域の方々には、万が一富貴寺大堂で火災があった際には、消防本部と消防団と連携して初期消火をお願いすることになりますので、今日の訓練を今後に活かしてください。」と講評。河野英信住職は「新しい設備ができ、その試運転を兼ねた防火訓練ができて良かったです。田染地区は市内でも文化財の多い場所で、1000年続いてきたのも地域の方々のおかげだと思っております。万が一のときには皆さんのご協力をお願いします。」と謝辞を述べました。
木造文化財が非常に多い豊後高田市。
文化財防火デーを機に、身の回りの文化財について、少しでも気にかけてくださいね。