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ウナギの保護・繁殖を目指して ~桂川で「石倉カゴ」モニタリング調査~

ページID:0010336 更新日:2022年10月24日更新 印刷ページ表示

川に沈んだ石倉カゴを重機で引き上げる様子
 10月23日、桂川で石倉カゴのモニタリング調査が行われました。

 これは、減少傾向にあるニホンウナギを保護するため、「ウナギ生息環境改善支援事業」として、平成28年度から国内各地の河川で実施されている事業で、ウナギが川鵜などから隠れることができる「石倉カゴ」を設置し、設置後のモニタリングにより、隠れ処としての設置効果を検証するもので、県内では、大野川(大分市)と桂川の2か所のみで実施。桂川では昨年10月に石倉カゴを設置し、モニタリング調査としては3回目となります。

 この日は、ニホンウナギ研究者の九州大学大学院農学研究院水産増殖学分野の農学博士 望岡典隆特任教授の指導のもと、桂川漁業協同組合(室屋弘栄組合長)の組合員が、重機を使って3基の石倉カゴを川から引き揚げるモニタリング調査を実施。
 調査開始前に、室屋組合長から「近年特に減少し、絶滅が危惧されるニホンウナギの保護繁殖を目的した二ホンウナギ生息環境改善事業で本調査を行います。事故、ケガのないよう頑張ってください。」、望岡教授からは「モニタリングの意義は、効果の検証をきちんとデータとして出すということ、ウナギがずっと汽水域にいたのか、あるいは川の上流から降りて来たのか、それがどういう割合なのかを調べることにしています。そうすることで川全体の保全あるいは改善に資するということになると思います。今日は、重機などを使いますので、どうぞケガのないようにお願いします。」とのあいさつがあり、その後、作業に取り掛かりました。

 調査は、桂川に沈められた石倉カゴ(網に大小さまざまな石を詰めたもの)を重機で吊り上げ、川辺のブルーシートに下ろし、組合員が手作業で石をより分け、中にいるウナギやウナギの餌となる小魚やエビなどを捕獲。捕獲したウナギなどは、望岡教授により、長さ、重さ、性別などが現地で調査され、一部は大学に持ち帰り、耳石(じせき)を調査することによってウナギの生態を調べます。

 今回の調査では、3基の石倉カゴから計8匹のウナギを捕獲。中には全長87.4cm、重量1,009g、胴回り14.5cmの特大サイズのメスなども含まれ、8匹中6匹はこれから産卵に向けて川を下るメスとのことで、石倉カゴが産卵目前のメスの隠れ場所として機能していることが確認できたそうです。

九州大学大学院農学研究院水産増殖学分野の農学博士 望岡典隆特任教授のあいさつ重機で石倉カゴを吊り上げる様子2
引き上げた石倉カゴから手作業で石をどけ、ウナギなどの生育を調査捕獲したウナギを調査する望岡教授

 本日引き上げた3基の石倉カゴは、再度、石を詰めて同じ個所へ設置。今後も調査が続行されます。

 調査後、室屋組合長は「今日の調査は、大きなウナギが何本も捕獲出来ていい成果があがったと思います。今後も先生と一緒に調査を頑張っていきたいです。」と、望岡教授は「今回は、特に大きい1kgを超えるようなおそらくメスのウナギが獲れました。本当にあと1~2週間くらいで、はるかマリアナ海域まで向かっていくというウナギを石倉カゴが守っていたという、手ごたえがある成果が生まれたと思います。桂川は非常に大きなウナギがいることで有名ですけれども、まさか1kgを超えるウナギが獲れるとは思いませんでした。今後も、少なくとも秋の時期は下りウナギがどれくらい(石倉カゴを)利用しているを調べるために継続してモニタリング調査をしていこうと思います。」と話してくれました。


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