平成30年度の「再発見！郷土の歴史と文化財」連続講座が終了しました！

　市民をはじめとする多くの方々に、広く豊後高田市の歴史文化について理解を深めていただくための連続講座が、昨年10月～2月にかけて中央公民館(大研修室)及び市役所高田庁舎コスモスホールを会場に行われました。考古学・歴史学・民俗学などの有識者を講師として招き、様々な学問分野から故郷の歴史の奥深さや魅力について迫りました。(詳しい講座の内容はこちらから⇒【連続講座チラシ】[PDFファイル／738KB])

　「地元に住んでいても知らないことが多かった。とても勉強になった。」「次回もまた受講してみたい」などの感想を頂きました。受講して頂いた方、大変お疲れ様でした。

第1回　「西国東の古墳文化について」　田中 裕介 先生(別府大学教授)

　記念すべき第1回の講座は、大分県内で数多くの古墳の発掘調査に携わってこられた、別府大学教授の田中裕介先生を講師にお迎えして、「西国東の古墳文化について」と題して御講演いただきました。
　古墳が造られた時代とは？古墳には誰が葬られ、誰が造ったのか？…。話題は豊後高田市内に分布する県内屈指の規模を誇る大型古墳の特徴とその背景にも触れていきました。当時、国東半島が東九州へ「窓口」であったとする“古代ロマン”について「再発見」しました。

第2回　「豊後高田の中世城館について ～市内の城跡を極める！～」福永 素久 先生(城郭研究家)

　11月17日（土曜日）の第2回の講座は、城郭研究家で北部九州中近世城郭研究会に所属の福永素久先生を講師にお迎えして、「豊後高田の中世城館について～市内の城跡を極める！～」と題して御講演いただきました。現在、市内には約30箇所の城跡が確認されており、それぞれの特徴や、城に施されたしかけについて詳しく解説していただきました。また、会場である中央公民館も高田城跡に立地しています。周辺にある見慣れた風景の中にも、城の痕跡が確認できること、高田城の縄張りは府内城(大分市)の築城に活かされたことなど、豊後高田の城跡の奥深さについて「再発見」しました。

第3回　「県史跡・福真磨崖仏石造覆屋保存修理3年間の記録」大山 琢央(豊後高田市教育委員会)

　12月15日（土曜日）の第3回の講座は、本市教育委員会文化財室の大山が、「県史跡・福真磨崖仏石造覆屋保存修理3年間の記録」と題して報告しました。市内下黒土地区に所在する福真磨崖仏は鎌倉時代末期に造顕されました。これを保護するために江戸時代末期に地元の石工・安藤国恒が総石造りの「覆屋」を造りました。今回は平成27～29年度にかけて行われた石造覆屋の保存修理工事を通して、磨崖仏や覆屋の特徴、そして保存修理工事の様子などを解説しました。受講者の皆さんは文化財を後世に守り、伝えることの大切さを「再発見」しました。

《最終回》「聖と俗の交わり－くにさきの民俗－」菅野 剛宏先生 (大分県立美術館)

　連続講座を締めくくる2月23日（土曜日）の最終回講座は、大分県立美術館の菅野剛宏先生をお迎えして、「聖と俗の交わり－くにさきの民俗－」と題して御講演いただきました。
　今回の講座は、大分県立歴史博物館が主催する《うさ・くにさき歴史文化講座 第4回－豊後高田会場編》との共同開催で、会場も中央公民館から市役所高田庁舎コスモスホールに移しての実施となりました。当日は市内外から120名を超える多くの受講者で会場は埋まりました。
　菅野先生からは国東半島を代表する行事「修正鬼会」を取り上げ、その始まりや祭礼の特徴などについて解説していただきました。修正鬼会が寺院の行事でありながら、ムラの行事でもある点はまさに演題のとおり"聖と俗が交わる行事"ともいえます。鬼会以外にも、地域の日常的な信仰に六郷山寺院が重要な役割を担っていたことを「再発見」しました。