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文化財室では、市内の小・中学生に対し、地域の歴史や文化をテーマにした出前講座を行っています。
10月25日(火)には桂陽小学校6年生を対象に「身近な戦国時代の遺跡」として、高田城跡について詳しく学ぶ講座を実施しました。
高田城は現在の桂陽小学校及び中央公民館を中心に築かれた中世城郭です。1593年(文禄2)に豊臣秀吉の命を受けて入城した竹中重利(竹中半兵衛のいとこ)が城郭の整備・拡張を行いました。小学校周辺では、現在でも水掘や土塁の姿を確認することができます。
児童の皆さんにとっては、いつもの通学路や何気なく見てきた風景の一部が、実は高田城の痕跡であることを今回の講座を通して知ってもらいました。
まずは、教室で「戦国時代の戦い」と「お城を守る工夫」について勉強しました。
市内には約30ヶ所もの城跡が確認されています。標高約540mの険しい山頂にある山城「屋山城跡」に残る竪堀や堀切、高石垣の遺構が現在も良好に残る「佐野鞍懸城」や、高田城跡にめぐらされた水掘と土塁の効果について深く学習しました。
文化財室職員の話に耳を傾けています。 事前配布したワークシートにメモしています!
次に、高田城跡の発掘調査で出土した土器や、陶磁器片などを実際に手に取って観察しました。
児童の皆さんは、文化財室職員からの説明を聞きながら、熱心に遺物の重さを感じたり色々な角度から眺めたり…。実物資料に触れることで、当時の人々の活動の痕跡をより強く実感したようです。
遺物を実際に手に取ってみるのは貴重な体験! 重さや手触りをじっくりと感じていました。
戦国時代の最新兵器「火縄銃」についても学びました。
実は高田城跡からは鉛製の鉄砲玉と思われる遺物も出土しています。本物の鉄砲玉に触れてみると、児童からは「あっ!重い!」という驚きの声が。その反応につられて興味を持った児童たちが続々と手を差し出しました。
あわせて、本物とほぼ同じ大きさ、重さでつくられたレプリカの火縄銃も登場。レプリカとはいえ手に取る機会のない火縄銃には皆さんとても興味津々。手を挙げて「触ってみたい!」という声があちこちから上がりました。
小さいのにズシッとした重みがあります。 火縄銃(レプリカ)の登場には驚きの声が!
解説の際には、よく見ようと立ち上がっている児童もいました。
火縄銃を持ってみたい!と挙手した児童もたくさん! 火縄銃を構えてみる機会はなかなかありません!
しっかりと授業を聞いた後は、実際に現地に行ってみよう! ということで、小学校付近に残る高田城跡の遺構を見学しました。
秋晴れの中、小学校の敷地内や市道沿いに見られるこんもりとした土塁の跡、中央公民館下に残る石垣・石段など、学校周辺には多くの痕跡が残されていることを、実物を見ながら説明を受けました。
「(土塁を)ただの山だと思っていた!」「これもお城の痕跡?」といった声もあり、これらの遺構が自分たちのふるさとや歴史文化を語っていく上で大切なものだと再認識できた講座となりました。
堀や土塁などを現地で見るため、快晴の下で外に飛び出していきました!
この出前講座の内容『高田城跡』について、本市発行のパンフレットでもご紹介しています。
詳細は以下のリンク先からご覧できます。
豊後高田市ホームページ【ぶんごたかだ文化財ライブラリーVol.1『豊後高田の城跡』】