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【統幸公ゆかりの地・其の四】屋山城跡
屋山城(ややまじょう)
秋の屋山
屋山城は、中世に栄華を極めた六郷山惣山長安寺の伽藍(がらん)の上に築かれた「連郭式(れんかくしき)山城」(尾根に沿って細長く郭が連続する山城)です。戦国大名大友氏の重臣であった吉弘氏が、代々居城としていました。築城の時期ははっきりしませんが、吉弘氏が都甲(とごう)地域に本拠を移した16世紀前期だと考えられています。天正7年(1579年)に吉弘統幸によって大改修されたことが古文書から分かっています。
城の登り口
屋山の尾根は、山頂付近が非常に急で、登り口以外からは到底城にたどり着くことはできません。まっすぐ伸びる登り口の両脇には長い「竪堀(たてぼり)」が設けられ、敵兵が一度に攻め寄せることはできません。また、城の弱点である犬走りに侵入した敵兵を倒すために、「虎口(こぐち)」(城の入り口)付近には張り出した郭(くるわ)や花弁型竪堀が設けられています。
金比羅の祠
現在金比羅の祠があるところが中心的な郭だったと考えられ、大きな堀切(ほりきり)によって区画が分けられています。
山頂にそびえる石灯籠
屋山城址之碑
屋山は、都甲地域の中心にそびえる標高543mの独立峰であり、その名が示すとおり山全体が巨大な屋根のような形をしています。また、見る方角によってその姿を変えることから「八面山」とも呼ばれています。その山頂に築かれた屋山城からは都甲地域が一望でき、「鬼城耶馬」とも言われる素晴らしい景色を楽しむことができます。特に、城の一番奥の「ショウケが鼻」から見える雄大な自然は絶景です。
屋山城からの景色
屋山城跡へのアクセス
長安寺の駐車場から山頂まで徒歩で約30分