本文
「妙壽寺本堂設計図面及び附属資料」と「内野観音堂木彫仏群」を市指定有形文化財に指定しました!
金谷町の妙壽寺に所蔵されている「妙壽寺本堂設計図面及び附属資料」と、小田原の内野観音堂にまつられている「内野観音堂木彫仏群」の2件を、豊後高田市指定有形文化財として新たに指定しました。
妙壽寺本堂設計図面及び附属資料(歴史資料)
明治35年頃に建てられた妙壽寺本堂(国登録有形文化財)には、帝室技芸員 佐々木岩次郎が設計・作図した図面65枚と関連資料2冊がまとまって残されています。
佐々木は明治から昭和初期にかけて活躍した建築家で、日本近代を代表する建築家・伊東忠太との関わりも深く、伊東と共に設計や監督、古社寺の調査等に携わっています。
現存する図面には、各部材の詳細な寸法が明記されており、精度が高く、佐々木の建物に対する真摯で丁寧な仕事ぶりが伺えます。
また、附属資料として『妙壽寺本堂改築設計明細書』と『妙壽寺再築ニ關スル申込書』もあります。
設計明細書には「本堂改築費用予算額一目表」が記されており、各工事の内訳明細が詳細に書かれています。申込書は工事に携わる地元の大工棟梁をはじめとした各職工の募集を行うものであり、職人の住所・氏名捺印がされています。
以上のように、当時の手書図面及び関連資料が一括して残されていることは大変貴重であり、将来的な文化財保存修理等に際しての根拠資料となるほか、日本建築史における近代寺院建築を考察する上での学術的価値が極めて高い資料です。
佐々木岩次郎が作図した図面(一部) 『妙壽寺本堂改築設計明細書』 『妙壽寺再築ニ關スル申込書』
妙壽寺本堂(国登録文化財)についてのページもあります!
豊後高田市ホームページ【妙壽寺本堂他4件の建造物が国登録有形文化財に登録されました!】
※「妙壽寺本堂設計図面及び附属資料」は、資料保護の視点から一般公開していません。
妙壽寺へのアクセス
内野観音堂木彫仏群(彫刻)
豊後高田市小田原にある内野観音堂には、「内野の焼仏(やけぼとけ)」として知られる木造聖観音菩薩立像(県指定有形文化財)がまつられています。
今回は、その両脇に所在する計5躯の木彫仏を指定しました。(木造如来形坐像・木造如来形立像・木造吉祥天立像・木造菩薩形立像(1)(2))
この5躯は平安時代の制作とされており、いずれも頭頂から脚部までが一本の木から彫り出した一木造の仏像であり、内刳(うちぐり※)を施しません。
下半身や腕が欠損するなど、それぞれの仏像には経年による傷みが目立ちますが、大分県の仏教美術史または彫刻史上、特に意義のある資料として評価されました。
※内刳(うちぐり) 木像の内部をえぐって空洞にする技法
(右から順に)木造如来形坐像・木造菩薩形立像(1)・木造吉祥天立像・木造菩薩形立像(2)・木造如来形立像
木造聖観音菩薩立像(県指定)についてのページもあります!
豊後高田市ホームページ【焼仏(やきぼとけ)の世界~身を焦がしてもなお失われない国東のヴィーナスの美~】
内野観音堂へのアクセス
今回の指定によって、市指定文化財の件数は140件となり、国・県指定(選定・登録含む)も含めた本市の文化財の総数は242件となりました。