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文化財室では、市内の小・中学生に対し、地域の歴史や文化をテーマにした出前講座を行っています。
11月24日(水曜日)は、桂陽小学校4年生を対象に、ふるさとの先人・井上平四郎について詳しく学ぶ講座を実施しました。
豊後高田市には、義将・吉弘統幸や詩人・江口章子など様々な先人たちがいます。とりわけ桂陽校区を代表する先人が、地域の発展に尽くした井上平四郎です。
井上平四郎(1835~1897)は、今から約140年前の明治時代に干害で悩んでいた玉津(志手町)の台地に、全長約1300mものトンネル用水路「玉の井水路」を約2年半の歳月をかけてつくった人です。
平四郎が作った「玉の井水路」のおかげで、志手・呉崎石部新開合わせて20町歩(ほぼ等しい20万平方メートル)もの田畑が潤ったとされています。
今回の出前講座では、井上平四郎の功績を振り返りつつ、実際に玉の井水路の痕跡が確認できる場所や、顕彰碑での現地見学を行いました。
児童の皆さんは文化財室職員の解説を聞きながら、ライトを当てて玉の井水路の様子をフェンス越しに観察。実際に目の当たりにすると、「これを全部人の手で掘ったの?」「すごい!」と驚きの声が上がりました。
次に井上平四郎没後に地元の人たちによって建てられた顕彰碑のある場所に移動し、石碑を通して功績を次の世代に伝えることの大切さをみんなで学びました。
玉の井水路は高田中学校の近くにあります。
皆さん、講師の解説をしっかり聞いています!
持参した懐中電灯で用水路の中を確認!
玉の井水路の様子(※フェンス越しに撮影しています。)
井上平四郎没後に建てられた石碑も桂陽校区内にあります。
顕彰碑「玉の井水路起工者 井上平四郎之碑」
後日、桂陽小学校4年生の皆さんから、可愛らしいイラスト付きの感想文が教育委員会に届きました。御礼の言葉の他にも、玉の井水路や顕彰碑が表紙に上手に描かれており、職員一同ほっこりとさせていただきました。ありがとうございました!
豊後高田市の歴史と文化をつくった先人たちについて学習するために作成した小冊子があります。今回の出前講座で解説した井上平四郎も含め、各時代・分野から30人の先人達を取り上げています。
下記のリンクからご覧ください。
内部リンク【小冊子『伝えたい!豊後高田の先人たち』が完成しました】