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江戸時代中期(1715年)に建立されたと考えられる富貴寺本堂は、六郷満山寺院の本堂建築の中では最も古い建物で、国史跡「富貴寺境内」を構成する重要な要素の1つとして文化財の保存修理の対象となっています。
富貴寺本堂は現在、建立から約300年が経過しており、経年劣化による建物全体の傷みなどが進んでいるため、平成30年度から全解体による大規模な保存修理工事を行っています。
6月29日(土曜日)には、一般の方々を対象とした、富貴寺本堂保存修理工事の文化財修復現場公開・見学会を実施しました。
当日は天候が心配されましたが、市内外から多数のご参加をいただき、盛況のうちに終了しました!
当日の見学会では、解体された部材などを保存する「保存小屋」を見学した後、本堂を覆う「素屋根」へ移動し、分解工事が進んでいる現場を見学しました。
本工事は今年2月下旬より着手しており、現在は本堂の建物全体の1/4ほどが分解されています。
工事の設計管理を担当する(公財)文化財建造物保存技術協会の今岡武久さんより詳しい説明を受けながら見学しました。
文化財建造物の保存修理の最前線を垣間見ることができる貴重な機会とあって、参加者の方々も、今岡さんに質問したり、熱心に説明を聞き入ったりする様子も見受けられました。
最後に、国宝の富貴寺大堂に移動して、九州最古の木造建造物として知られる大堂の建築としての特徴や魅力についての解説がありました。
富貴寺本堂の保存修理工事については、解体工事は本年度中に完了予定、その後に組立工事などを経て、全ての工程が完了するのは令和3年度末を予定しています。
※国宝・富貴寺大堂は通常通り拝観できます。
また、この見学会に先立ち実施した「田染小・中学生への修理現場公開」についてのページもあります。
以下のリンク先からご覧ください。
豊後高田市ホームページ【一生に一度の体験!!300年前の材料に学ぶ】