本文
文化財室では、市内の小・中学生に対し、地域の歴史・文化をテーマにした出前講座を行っています。9月6日(火曜日)には、授業で戦国時代を学習している桂陽小学校6年生に、身近な戦国時代の遺跡として高田城跡について、詳しく学ぶ講座を実施しました。
高田城は豊後高田市・玉津に築かれた城郭です。中世における高田は港町で、豊後国における対西方・対周防灘の重要な拠点でした。安土桃山時代・江戸時代初頭の改築を受けて、巨大な平山城へと姿を変えた高田城の水堀・土塁の姿は、地図や航空写真で見てもはっきりと確認できます。
高田城跡周辺の地図(水堀が確認できます)
まず、戦国時代に起きた出来事の復習と、戦国時代のお城を守る工夫について勉強しました。
素材となるのは市内に残る多くの城跡です。豊後高田市を代表する山城・屋山城跡などに残されている竪堀や堀切、高田城跡にめぐらされた水堀と土塁の効果について深く学習できました。
佐野鞍懸城跡などに見られる「戦国時代に造られた石垣」と高田城跡に見られる「江戸時代に造られた石垣の違い」もバッチリ理解できましたね!
お城について詳しく学んだ後は、戦国時代の最新兵器「鉄砲(火縄銃)」について勉強しました。今回は高田城跡から出土した本物の鉄砲玉を見てもらいました。児童たちは「本当だ!重たい!」「僕の家の近くにも埋まっているかな?」と興味津々でした。
そして、レプリカを使って鉄砲の仕組みについて学びました。実寸大の鉄砲を持ってみた児童たちは目を輝かせながら、戦国時代に思いを馳せていました。
さて、戦国時代やお城に詳しくなったところで、今回のメインイベント「現地見学」です。桂陽小学校の裏手や通学路の脇にある土塁・水堀は、児童たちにとって最も身近な文化財ですが、「初めて水堀だということを知った」「ここも土塁なの?」という感想・質問が多く聞こえました。
高田城跡について学習したことで、豊後高田市や文化財に対する愛着がたっぷり湧いた出前講座となりました。